2026/09/03
首の痛みは、振り向く、上を向く、起き上がるといった日常の動作を妨げます。仕事や家事へ集中しにくくなるほか、寝返りのたびに痛み、睡眠に影響することもあります。身近な症状であるため、疲れや年齢によるものと考え、我慢してしまう方も少なくありません。
首には、頭を支える骨や筋肉に加え、脳と身体をつなぐ神経や血管が集まっています。そのため、筋肉の疲労だけでなく、関節や椎間板の異常、神経の圧迫、外傷などによっても痛みが生じます。首だけでなく肩や腕、手指に症状が広がる場合は、原因を詳しく確認することが大切です。
首の構造と痛みが起こる原因
首は7個の骨で構成される頸椎によって頭を支えています。骨と骨の間には椎間板があり、首を動かしたときの衝撃を和らげています。頸椎の内側には脊髄が通り、そこから枝分かれした神経が肩や腕、手指へつながっています。
首の周囲には多くの筋肉や靱帯もあり、頭の重さを支えながら細かな動きを調整しています。筋肉や関節に負荷がかかれば首の痛みが起こり、神経が刺激されると腕の痛みやしびれにつながります。首の骨や筋肉、神経が互いに関係しているため、痛む場所だけでは原因を特定できないことがあります。
頸椎椎間板ヘルニアでみられる症状
頸椎椎間板ヘルニアは、椎間板の一部が後方へ飛び出し、近くにある神経根や脊髄を圧迫する病気です。加齢による椎間板の変化のほか、首への負担をきっかけに症状が現れる場合があります。首や肩甲骨周辺の痛みに加え、肩から腕、手指へ電気が走るような痛みやしびれが広がることがあります。
神経根が圧迫されると、片側の腕に症状が出やすく、首を後ろへ反らしたときに痛みが強まる傾向があります。脊髄が圧迫された場合は、ボタンを留めにくい、箸を使いにくい、物を落としやすいといった手指の不器用さが現れることもあります。足のもつれや歩行の不安定さがある場合は、早めの受診が必要です。
頚肩腕症候群とは
頚肩腕症候群は、後頭部から首、肩、肩甲骨、腕、手指にかけて、こりや痛み、重だるさ、しびれなどが現れる状態の総称です。1つの病気を示す名称ではなく、検査で明確な原因を確認できない場合や、長時間の作業による筋肉の疲労が関係している場合に用いられます。
パソコン入力や細かな手作業、調理、長時間の運転などでは、首を同じ位置に保ちながら腕を繰り返し使います。その結果、首から腕にかけて筋肉の緊張が続き、痛みや動かしにくさにつながります。ただし、似た症状は頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群、手根管症候群などでも起こるため、症状だけで判断しないことが重要です。
首の痛みを引き起こすその他の病気
頸椎症性神経根症は、加齢による骨の変形や椎間板の膨らみによって、首から腕へ向かう神経根が刺激される病気です。首や肩の痛みに加えて、腕や手指にしびれが現れ、首を反らしたときに症状が強くなることがあります。
胸郭出口症候群では、首から腕へ向かう神経や血管が鎖骨付近で圧迫され、腕のしびれやだるさ、手の冷えなどが起こります。肩関節の病気や肘、手首で起こる神経の圧迫が、首から腕に広がる痛みとして感じられる場合もあります。また、胸の圧迫感や息苦しさ、冷や汗を伴うときは、心臓などの内科疾患も考える必要があります。
診察と検査で確認すること
診察では、痛みが始まった時期やきっかけ、痛む範囲、症状が強くなる動作、しびれや脱力の有無を確認します。首や肩の動く範囲、筋肉の緊張、腕や手の筋力、皮膚の感覚、腱反射などを調べ、筋肉や関節の痛みか、神経の圧迫が疑われるかを判断します。
エックス線検査では、頸椎の並び方や骨の変形、椎間板の間隔などを確認します。腕や手のしびれ、筋力低下、歩行障害がある場合は、MRI検査を行うこともあります。画像上に変化があっても症状が出ない方もいるため、問診や診察結果と合わせて原因を確認します。
首の痛みに対する治療方法
治療は、原因や症状の強さ、日常生活への影響に応じて選びます。筋肉や関節への負担が中心の場合は、消炎鎮痛薬や外用薬、温熱療法、運動療法などを組み合わせます。頸椎牽引や物理療法が検討されることもあります。痛みが強い時期は無理な運動を避け、落ち着いてから首や肩甲骨周辺を少しずつ動かします。
薬物療法や物理療法で痛みを抑えにくい場合は、神経ブロックを行うことがあります。神経の近くへ局所麻酔薬などを注入し、痛みの伝達を抑える治療です。痛みによって筋肉の緊張や血流低下が続く悪循環を和らげ、日常動作やリハビリに取り組みやすい状態を目指します。
受診の目安と日常生活での注意点
首の痛みが長引く場合や、繰り返す場合、肩や腕へ広がる場合、手指のしびれを伴う場合は医療機関へ相談してください。物を落としやすい、手に力が入らない、足がもつれる、歩きにくいといった症状がある場合は、神経の障害が進んでいる可能性があります。転倒や交通事故後の強い痛み、発熱や激しい頭痛を伴う場合も早めの受診が必要です。
日常生活では、パソコンの画面を目の高さに近づけ、長時間同じ姿勢を続けないよう意識します。作業の合間に立ち上がり、痛みのない範囲で肩や肩甲骨を動かすことも大切です。当診療所では、診察や必要な検査を行い、薬物療法、頸椎牽引、温熱療法、半導体レーザー治療、神経ブロックなどから症状に合った治療を検討します。首から肩、腕にかけての痛みやしびれが続く方は、早めにご相談ください。
大阪市北区の整形外科「はせがわ診療所」
南森町駅から徒歩約1分、大阪天満宮駅から徒歩4分の「はせがわ診療所」では、大阪市北区天神橋でペインクリニック・整形外科、内科を診療しています。
当院は、神経ブロック注射を中心とした痛みの緩和治療に力を入れており、肩こり、腰痛、膝の痛み、坐骨神経痛、頚椎や腰椎由来のしびれなど、慢性的な疼痛に悩む患者さまから多くの支持をいただいております。一般的な対症療法だけでは改善が難しいケースに対しても、ヒアルロン酸や局所麻酔薬によるブロック治療、リハビリ機器による物理療法など、個別の症状に応じた多角的なアプローチを行っています。
長年の痛みにお悩みの方や気になる症状がある方は、お気軽に当院へご相談ください。
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診療科目:ペインクリニック・整形外科、内科、麻酔科(長谷川健太)、リハビリテーション科